Japanische Klassiker mit Furigana
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もぐらとらくばん
土鼠と落盤
黒島 伝治
Lesen Sie 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.823 Zeichen · 36 Bildschirme
「泣くでない。泣くでない。泣いたって今更仕様がねえ。」
武松が、屍体に涙がかゝっては悪いと思いながら、娘の肩を持ってうしろへ引っぱった。
「泣くでない。」
しかし、そう云いながら、自分も涙ぐんでいた。それから、又、一人の坑夫が引っぱり出された。へしゃがれた蟹のように、骨がボロ/\に砕けていた。担架に移す時、バラバラ落ちそうになった。
彼等は、空腹も疲労も忘れていた。夜か昼か、それも分らなかった。仲間を掘り出すのに一生懸命だった。
二人、三人と、掘り出されるに従って、椀のような凹みに誰れか生き残っている希望は失われて行った。張子の人形を立っているまゝ頭からぐしゃりと縦に踏みつけたようなのや、××も、ふくよかな肉体も全く潰されて、たゞもつれた髪でそれと分る女が現れてきた。
三本脚の松ツァンは、屍体が引っぱり出されるごとに鼻をすりつけてかぎながら、息子の名を呼んだ。彼は、ボロ切れをまきつけた脚でいざりながら、鑿岩機を使ったり、槌を振り上げたりした。
よう/\九人だけ掘り出した。が、まだ市三は見つからなかった。
役員が這入って来た。そして、皆な洞窟から出るように云いつけた。