Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もぐらとらくばん
土鼠と落盤
黒島 伝治
Lesen Sie 土鼠と落盤 (もぐらとらくばん) von 黒島 伝治 (くろしまでんじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 17.823 Zeichen · 36 Bildschirme
坑外へ出るだけでも、八百尺をケージで昇り、――それは三越の六倍半だ――それから一町の広い横坑を歩かねばならない。
井村は女達の奥で鑿岩機を操っていた。タガネが、岩の肌にめりこんで孔を穿って行くに従って、石の粉末が、空気に吹き出されて、そこら中いっぱいにほこりが立った。井村は鼻から口を手拭いでしばり、眼鏡をかけていた。黄色ッぽい長い湿った石のほこりは、長くのばした髪や、眉、まつげにいっぱいまぶれついていた。
汚れた一枚のシャツの背には、地図のように汗がにじんでいた。そして、その地図の区域は次第に拡大した。
「さ、這入ったよ。」
タエは、鉱車を押し出す手ごをした。
それは六分目ほどしか這入っていなかった。市三は、枕木を踏んばりだした。背後には、井村が、薄暗いカンテラの光の中に鑿岩機をはずし、ハッパ袋をあけていた。
井村は、飴ン棒のようなハッパを横にくわえ、ミチビを雷管にさしこむと、それをくわえているハッパにさしこんだ。
「おい、おい、女ゴ衆、ドンと行くぞ。」
「タエの尻さ、大穴もう一ツあけるべ。」
婆さんがうしろで冷かしていた。
市三は、岩の破れ目から水滴が雨だれのようにしたゝっているところを全力で通りぬけた。