Japanische Klassiker mit Furigana
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ざいがくりゆう
在学理由
豊島 与志雄
Lesen Sie 在学理由 (ざいがくりゆう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.167 Zeichen · 21 Bildschirme
」
「それなんです。私にも分らないのは。」
そして彼は、植字工の父親に銘仙の着物をきせたり、同職の息子を、ずっと年若くして律儀な商店員にしたりしたことが、自分でもひどく嫌だったと告白した。
「つまり、小説を書こうとしたんだね。」
「そうかも知れません。先生が小説家なもんですから。」
そして彼は無心なとも云えるような笑みを浮べた。
然るに突然、彼はぶしつけに云いだした。――あの原稿はもう不用だから、先生に差上げる。書きなおして使って下すってもよい。その代り、全く別なことだが、三十円かして下さい。至急入用があって、困っているので、助けて下さい。お手許になければ、雑誌社に手紙でも書いて下さい。使は自分がする……。
吉村はちょっと呆れ返った。
「そんなに急なことを云ったって、僕の貧乏なことくらい分ってるだろうじゃないか。」
「私は急ぐんですけれど……。」
「まあ二三日待ち給え、考えておこう。」
そんなことで、李は帰っていったが、三日後にまたやって来て、三十円の催促をした。
吉村は更に呆れて、もう二三日待てと云って帰した。
三日後に、李はまたやって来た。吉村も諦めて、幸いそれくらいの持合せはあったので出してやった。