Japanische Klassiker mit Furigana
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ざいがくりゆう
在学理由
豊島 与志雄
Lesen Sie 在学理由 (ざいがくりゆう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.167 Zeichen · 21 Bildschirme
そしてこの両者を合せ考える時、李の人柄のうちに或る恐ろしいものが浮んでくるようであった。然し矢杉にはそれがまだはっきり掴めなかった。ただ李のてきぱきした率直な言葉のなかに、彼の思想の力というようなものを感じた。そして、彼の顔から眼を外らして、沈思の気持に誘われるのだった。
お茶の水駅東口に来ると、矢杉は電車に乗るために別れようとした。その二三歩あとから、李に呼びとめられた。
「先生、吉村さんへ御紹介して下さいませんか。」
そのことを矢杉はもう忘れていた。紹介するなら手紙でも書いてやろうかと思ったが、それを止めて、聖橋の欄干の上で、名刺に簡単な文句を書きつけて、李に渡した。
二
李永泰は矢杉の名刺紹介で、吉村を訪れて来た。別に文学や文章に関する問題を提出するでもなく、ありふれた雑談だけで、而も多くは、吉村から聞かれるままに朝鮮の話などをし、一時間ばかりで帰っていった。ただ漠然たる興味で、吉村という存在を眺めただけのようだった。
それから時々、彼は吉村を訪れて来た。仕事中だと、不服らしい眼色もせず、にこにこして帰っていった。隙な時には、一時間ばかり雑談していった。