Japanische Klassiker mit Furigana
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ちのしおぶんがくのしお
地の塩文学の塩
宮本 百合子
Lesen Sie 地の塩文学の塩 (ちのしおぶんがくのしお) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.809 Zeichen · 8 Bildschirme
その心の動因は、人間精神の成長とその合理への方向への信頼であり、他の面からそのことを云えば、不合理なものへの承服しがたさへの確信と、その承服しがたき事象の裡から、僅かなりともより承服しやすき方向への推進の力づくし、心づくしと云うことが出来る。
私たちが生活の間に経る波は激しく、潮はまことに急速で、昨今は、この一ヵ月で生活感情も随分変化して来ている有様である。その波濤を、ああしこうし工夫して凌ぎゆくわけだが、そのようにして生活して行くというだけでは、殆ど未だ人間経験というところまでも収穫されていないと云える。そのような日暮しから受ける心持、そのような日暮しに向ってゆく自分の心の動きよう、そういう生活万端の在りようと自分のつくる文学のありよう、そういう関係が深く感情の底にまでふれて探られ、見直され、整理され、そこで初めて人間精神の経つつある歴史となるし、文学の歴史ともなり得る。
昭和十四年度の文学の総決算というとき、多くの人によって、この二三年混乱していた文学がやや落付いて来た、内省的になって来たと云われていた。それは或る意味では実際に即した概括であったと思う。