Japanische Klassiker mit Furigana
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じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Lesen Sie 地獄風景 (じごくふうけい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.774 Zeichen · 108 Bildschirme
「イヤ、ひょっとしたら、この風船の上からは、麗子さんの殺される光景が、手に取る様に見えたかも知れないぜ。おばさん、それは一体何時だったの」
「この子が、落た落たと云って帰って来たのは、あれは確か六時頃でございました」
「六時、……やっぱりそうかも知れないね」
「坊や、それでどうしたの。この姉ちゃんは、何かびっくりした様な風はしなかったかい」
「ウン、何だか大きな口を開いて喋舌っていたよ。それから、いそいで降りて来たよ」
「喋舌っていたって、風船には外に誰もいなかったのだろう」
「ウン、誰もいなかったよ」
「じゃ、なぜ喋舌ったりするんだろう。アア、分った。坊や、姉ちゃんは、大きい口をあいて、叫んだのだね。アレエとか、助けてくれエとかいって」
だが、子供は困った様な顔をして黙っていた。
「ウン、よしよし、坊やには少し難しすぎる。だが、大野君、これは僕の想像が当っている様だね。それから坊や、どんなことがあったの?」
治良右衛門が質問を続ける。
「それから、綱が切れたんだよ」
「どうして?」
「知らないや。でも、プツッと切れちゃったんだよ。それから、姉ちゃんが、さかとんぼになって、スーッと落て行ったんだよ。