Japanische Klassiker mit Furigana
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じごくふうけい
地獄風景
江戸川 乱歩
Lesen Sie 地獄風景 (じごくふうけい) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 53.774 Zeichen · 108 Bildschirme
近よると、治良右衛門の顔が、赤と黒とのでこぼこになって、恐ろしい赤鬼の様に見えた。
「ホウ、何をそんなにお考えなのです」
木島刑事も赤鬼だ。大提灯の心臓の下で、二匹の赤鬼が囁き合っているのだ。
「無論、今度の血腥い事件についてですよ」
治良右衛門が答えた。そこが丁度巨大な心臓の下であったから、血腥いという形容詞と共に、事実腥い血のりの匂が刑事の鼻を打った。
「併し、事件は殆ど解決したではありませんか。あなたは湯本君の無実を主張しようとでもなさるのですか」
刑事とても、事件の解決を確信していた訳ではないけれど、ここにも一人、疑惑を抱いて考え込んでいる男がいると思うと、ついそんな風に云わないではいられなかった。
「イヤ、必ずしもそうではありませんが、……木島さん、あなたは湯本譲次が四つの殺人事件の真犯人だと信じていらっしゃるのですか」
「無論その外に考え様がないではありませんか」
木島は態と強く言い切って見せた。
「なる程あいつは前科者です。併し、意味もなく人間の命を奪う様な殺人鬼ではありません」
「意味もなくですって? 意味があるじゃありませんか。あなたはそれが分らないとおっしゃるのですか」