Japanische Klassiker mit Furigana
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ちきゅうのまるいはなし
地球の円い話
中谷 宇吉郎
Lesen Sie 地球の円い話 (ちきゅうのまるいはなし) von 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.715 Zeichen · 12 Bildschirme
それを動揺する船の上で測ることは、先ず絶望である。それで潜水艦が或る深さ以上潜ると、動揺が殆んどないという点を利用して、潜水艦の中で特殊の振子を用いて重力を測るという方法が考案され、実際に世界各地の海でその測定がなされたのである。
しかし潜水艦というものは大変苦しいものの由で、その中で普通に働くことすら、実は大変な忍耐を要するという話である。まして潜水状態で、前に言ったような極度に精密を要する測定をするのは生易しいことではない。それでこの方法で世界中の七つの海を隈なく探るという案は先ず実行不可能である。
ところが人間の智力もまた恐ろしいもので、この頃動揺する船の上でも、まるでコンクリートの台の上と同じように、重力を精密に測り得る装置が考案された。それは我が国の坪井忠二博士の手で出来たものであって、その主旨は、複雑な船の動揺を詳しく分析究明して、動揺の各要素について、それぞれその振動の影響から逃げるように振子の構造を工夫したのである。これならば豪華船のサロンに備えつけて、シガーでも吹かしながら測定出来るので、潜水艦の中で酸素かイオンかの足りない空気に轍鮒の苦しみを嘗めるのとは大変なちがいである。