Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ちきゅうをねらうもの

地球を狙う者

海野 十三

Lesen Sie 地球を狙う者 (ちきゅうをねらうもの) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.493 Zeichen · 30 Bildschirme

Aozora Bunko

サチ子はさもおかしそうに、声をたてて笑った。

「あははは。とうとう僕も火星の俘虜になってしまったようですね。しかしこのような絶海の孤島で、あなたがたのような火星の親類がたと暮していると、どうしてもそうなりますね。いや、火星の生物にまだ取って喰われないだけが見つけ物かもしれない」

僕は諧謔を弄したつもりだった。それに覆いかぶせて、サチ子がほほほほと笑いだすだろうと期待していたのに、その期待ははずれてサチ子の笑声はきかれなかった。

僕は目をあげてサチ子の方を見た。そのとき僕はおやと思った。サチ子が、どうしたわけか、急に顔色をかえ、唇をぶるぶるふるわせているのだ。

「サチ子さん、どうしたのです。どこか身体でもわるいんですか」

サチ子は、むやみに頭を左右にふって、それをうち消した。

「じゃ、ど、どうしたんです」

「しっ、――」

サチ子は、唇に人さし指をたてて、なにごともいうなという合図をした。僕はそれをみてうなずいたが、心の中は急に安からぬおもいにとざされた。

(あっちへ行きましょう)

サチ子の目が、そういった。

僕たちは、肩をならべて、椰子の大樹がそびえる向こうの丘の方へ歩いていった。