Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼっちゃん
坊っちゃん
Lesen Sie 坊っちゃん (ぼっちゃん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.491 Zeichen · 177 Bildschirme
今日までは数学と骨董で蕎麦を忘れていたが、こうして看板を見ると素通りが出来なくなる。ついでだから一杯食って行こうと思って上がり込んだ。見ると看板ほどでもない。東京と断わる以上はもう少し奇麗にしそうなものだが、東京を知らないのか、金がないのか、滅法きたない。畳は色が変ってお負けに砂でざらざらしている。壁は煤で真黒だ。天井はランプの油烟で燻ぼってるのみか、低くって、思わず首を縮めるくらいだ。ただ麗々と蕎麦の名前をかいて張り付けたねだん付けだけは全く新しい。何でも古いうちを買って二三日前から開業したに違いなかろう。ねだん付の第一号に天麩羅とある。おい天麩羅を持ってこいと大きな声を出した。するとこの時まで隅の方に三人かたまって、何かつるつる、ちゅうちゅう食ってた連中が、ひとしくおれの方を見た。部屋が暗いので、ちょっと気がつかなかったが顔を合せると、みんな学校の生徒である。先方で挨拶をしたから、おれも挨拶をした。その晩は久し振に蕎麦を食ったので、旨かったから天麩羅を四杯平げた。
翌日何の気もなく教場へはいると、黒板一杯ぐらいな大きな字で、天麩羅先生とかいてある。