Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼっちゃん
坊っちゃん
Lesen Sie 坊っちゃん (ぼっちゃん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.491 Zeichen · 177 Bildschirme
鮪の二匹や三匹釣ったって、びくともするもんか。おれだって人間だ、いくら下手だって糸さえ卸しゃ、何かかかるだろう、ここでおれが行かないと、赤シャツの事だから、下手だから行かないんだ、嫌いだから行かないんじゃないと邪推するに相違ない。おれはこう考えたから、行きましょうと答えた。それから、学校をしまって、一応うちへ帰って、支度を整えて、停車場で赤シャツと野だを待ち合せて浜へ行った。船頭は一人で、船は細長い東京辺では見た事もない恰好である。さっきから船中見渡すが釣竿が一本も見えない。釣竿なしで釣が出来るものか、どうする了見だろうと、野だに聞くと、沖釣には竿は用いません、糸だけでげすと顋を撫でて黒人じみた事を云った。こう遣り込められるくらいならだまっていればよかった。
船頭はゆっくりゆっくり漕いでいるが熟練は恐しいもので、見返えると、浜が小さく見えるくらいもう出ている。高柏寺の五重の塔が森の上へ抜け出して針のように尖がってる。向側を見ると青嶋が浮いている。これは人の住まない島だそうだ。よく見ると石と松ばかりだ。なるほど石と松ばかりじゃ住めっこない。赤シャツは、しきりに眺望していい景色だと云ってる。