Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼっちゃん
坊っちゃん
Lesen Sie 坊っちゃん (ぼっちゃん) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 88.491 Zeichen · 177 Bildschirme
無位無冠でも一人前の独立した人間だ。独立した人間が頭を下げるのは百万両より尊といお礼と思わなければならない。
おれはこれでも山嵐に一銭五厘奮発させて、百万両より尊とい返礼をした気でいる。山嵐は難有いと思ってしかるべきだ。それに裏へ廻って卑劣な振舞をするとは怪しからん野郎だ。あした行って一銭五厘返してしまえば借りも貸しもない。そうしておいて喧嘩をしてやろう。
おれはここまで考えたら、眠くなったからぐうぐう寝てしまった。あくる日は思う仔細があるから、例刻より早ヤ目に出校して山嵐を待ち受けた。ところがなかなか出て来ない。うらなりが出て来る。漢学の先生が出て来る。野だが出て来る。しまいには赤シャツまで出て来たが山嵐の机の上は白墨が一本竪に寝ているだけで閑静なものだ。おれは、控所へはいるや否や返そうと思って、うちを出る時から、湯銭のように手の平へ入れて一銭五厘、学校まで握って来た。おれは膏っ手だから、開けてみると一銭五厘が汗をかいている。汗をかいてる銭を返しちゃ、山嵐が何とか云うだろうと思ったから、机の上へ置いてふうふう吹いてまた握った。ところへ赤シャツが来て昨日は失敬、迷惑でしたろうと云ったから、迷惑じゃありません、お蔭で腹が減りましたと答えた。