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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

しかしこの時頭の中にたまった涙は、今が今でも、同じ羽目になれば、出かねまいと思う。苦しい、つらい、口惜しい、心細い涙は経験で消す事が出来る。ありがた涙もこぼさずに済む。ただ堕落した自己が、依然として昔の自己であると他から認識された時の嬉し涙は死ぬまでついて廻るものに違ない。人間はかように手前勘の強いものである。この涙を感謝の涙と誤解して、得意がるのは、自分のために書生を置いて、書生のために置いてやったような心持になってると同じ事じゃないかしら。

こう云う訳で、飯場掛りの言葉を一行ばかり聞くと、急に泣きたくなったが、実は泣かなかった。悄然とはしていたが、気は張っている。どこからか知らないが、抵抗心が出て来た。ただ思うように口が利けないから、黙って向うの云う事を聞いていた。すると飯場掛りは嬉しいほど親切な口調で、こう云った。――

「……まあどうして、こんな所へ御出なすったんだか、今の男が連れて来るくらいだから大概私にも様子は知れてはいるが――どうです、もう一遍考えて見ちゃあ。きっと取ッ附坑夫になれて、金がうんと儲かるてえような旨い話でもしたんでしょう。