Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

現に書生さんでここへ来て十日と辛抱したものあ、有りゃしませんぜ。え? そりゃ来る。幾人も来る。来る事は来るが、みんな驚いて逃げ出しちまいまさあ。全く普通のものの出来る業じゃありませんよ。悪い事は云わないから御帰んなさい。なに坑夫をしなくったって、口過だけなら骨は折れませんやあ」

原さんはここに至って、胡坐を崩して尻を宙に上げかけた。自分はどうしても落第しそうな按排である。大いに困った。困った結果、坑夫と云う事から気を離して、自分だけを検査して見ると、――何だか急に寒くなった。袷はさっきの雨で濡れている。洋袴下は穿いていない。東京の五月もこの山の奥へ来るとまるで二月か三月の気候である。坂を登っている間こそ体温でさほどにも思わなかった。原さんに拒絶されるまでは気が張っていたから、好かった。しかし飯場へ来て休息した上に、坑夫になる見込がほとんど切れたとなると、情ないのが寒いのと合併して急に顫え出した。その時の自分の顔色は定めし見るに堪えんほど醜いもんだったろう。この時自分はまた何となく、今しがた自分を置去にして、挨拶もしずに出て行った長蔵さんが恋しくなった。