Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

早く来て見ろよ」

「己あジャンボーなんか見たかねえよ」

と病人は、無体に引き摺られながら、気のない声で返事をするうちに、見たいも、見たくないもありゃしない。たちまち窓の障子の角まで圧しつけられてしまった。

じゃじゃん、じゃららんとジャンボーは知らん顔で石垣の所へ現れてくる。行列はまだ尽きないのかと、また背延びをして見下した時、自分は再び慄とした。金盥と金盥の間に、四角な早桶が挟まって、山道を宙に釣られて行く。上は白金巾で包んで、細い杉丸太を通した両端を、水でも一荷頼まれたように、容赦なく担いでいる。その担いでいるものまでも、こっちから見ると、例の唄を陽気にうたってるように思われる。――自分はこの時始めてジャンボーの意味を理解した。生涯いかなる事があっても、けっして忘れられないほど痛切に理解した。ジャンボーは葬式である。坑夫、シチュウ、掘子、山市に限って執行される、また執行されなければならない一種の葬式である。御経の文句を浪花節に唄って、金盥の潰れるほどに音楽を入れて、一荷の水と同じように棺桶をぶらつかせて――最後に、半死半生の病人を、無理矢理に引き摺り起して、否と云うのを抑えつけるばかりにしてまで見せてやる葬式である。