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Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

表には第一見張所とあった。これは坑夫の出入だの労働の時間だのを検査する所だと後から聞いて、始めて分ったんだが、その当時には何のための設備だか知らなかったもんだから、六七人の坑夫が、どす黒い顔を揃えて無言のまま、見張所の前に立っていたのを不審に思った。これは時間を待ち合わして交替するためである。自分は腰に鑿と槌を差してカンテラさえ提げてはいるが、坑夫志願というんで、シキの様子を見に這入っただけだから、まだ見習にさえ採用されていないと云う訳で、待ち合わす必要もないものと見えて、すぐこの溜を通り越した。その時初さんが見張所の硝子窓へ首を突っ込んで、ちょいと役人に断ったが、役人は別に自分の方を見向もしなかった。その代り立っていた坑夫はみんな見た。しかし役人の前を憚ってだろう、全く一言も口を利いたものはなかった。

溜を出るや否や坑の様子が突然変った。今までは立ってあるいても、背延びをしても届きそうにもしなかった天井が急に落ちて来て、真直に歩くと時々頭へ触るような気持がする。これがものの二寸も低かろうものなら、岩へぶつかって眉間から血が出るに違ないと思うと、松原をあるくように、ありったけの背で、野風雑にゃやって行けない。