Japanische Klassiker mit Furigana
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こうふ
坑夫
Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme
今思い出して見ると、やっぱりどうあっても他人の事としか受け取れない。
そこで自分はどてらに向ってこう云った。
「僕は一生懸命に働くつもりですが、坑夫にしてくれるでしょうか」
するとどてらはなかなか鷹揚な態度で、
「すぐ坑夫になるのはなかなかむずかしいんだが、私が周旋さえすりゃきっとできる」
と云うから自分もそんなものかなと考えて、しばらく黙っていると、茶店のかみさんがまた口を出した。
「長蔵さんが口を利きさえすりゃ、坑夫は受合だ」
自分はこの時始めてどてらの名前が長蔵だと云う事を知った。それからいっしょに汽車に乗ったり、下りたりする時に、自分もこの男を捕えて二三度長蔵さんと呼んだ事がある。しかし長蔵とはどう書くのか今もって知らない。ここに書いたのはもちろん当字である。始めて家庭を飛出した鼻をいきなり引っ張って、思いも寄らない見当に向けた、云わば自分の生活状態に一転化を与えた人の名前を口で覚えていながら、筆に書けないのは異な事だ。
さてこの長蔵さんと、茶店のかみさんがきっと坑夫になれると受合うから、自分もなれるんだろうと思って、
「じゃ、どうか何分願います」