Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こうふ

坑夫

夏目 漱石

Lesen Sie 坑夫 (こうふ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 141.690 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

とはなく意識して、一二時間後に起る全体の色を、一二時間前に、入日の方の局部の色として認めたから、局部から全体を唆かされて、今にあの山の色が広がるんだなと、どっかで虫が知らせたために、山の方が動き出して頭の上へ圧っ被さるんじゃあるまいかと云う気を起したんだなと――自分は今机の前で解剖して見た。閑があるととかく余計な事がしたくなって困る。その時はただ寒いばかりであった。傍にいる茨城県の毛布が羨ましくなって来たくらいであった。

すると橋の向うから――向たって突き当りが山で、左右が林だから、人家なんぞは一軒もありゃしない。――実際自分はこう突然人家が尽きてしまおうとは、自分が自分の足で橋板を踏むまでも思いも寄らなかったのである。――その淋しい山の方から、小僧が一人やって来た。年は十三四くらいで、冷飯草履を穿いている。顔は始めのうちはよく分らなかったが、何しろ薄暗い林の中を、少し明るく通り抜けてる石ころ路を、たった一人してこっちへひょこひょこ歩いて来る。どこから、どうして現れたんだか分らない。木下闇の一本路が一二丁先で、ぐるりと廻り込んで、先が見えないから、不意に姿を出したり、隠したりするような仕掛にできてるのかも知れないが、何しろ時が時、場所が場所だから、ちょっと驚いた。