Japanische Klassiker mit Furigana
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まど
堀辰雄集 新潮日本文学16
堀 辰雄
Lesen Sie 堀辰雄集 新潮日本文学16 (まど) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 58.906 Zeichen · 119 Bildschirme
うとして野原を突切ったのはいいが、茅なんかの埋まっているところは体が半分位雪の中に入りそうになったり、いきなり道傍から雉子が飛び立ったりして、何度も立往生せざるを得なかった。やっと別荘のちらほらとある釜の沢の方に出たら、道もよくなり、いましがた通ったらしい自動車の轍さえ生ま生ましくついている。どこかの別荘に来た奴のだなと思いながら、その轍を辿っていったら、やがて山にかかると、それが消え失せ、その代りに男女の足跡らしいのが入り乱れてついているので、更にそれを追って行くと、釘づけになった数軒の別荘の間から、私の前に突然、緑と赤とに塗られた雛型のように美しい三階建のシャレエが見え出した。南おもては一面の硝子張りだが、それがおりからの日光を一ぱいに浴びながら内部の暖気のためにぼうっと曇り、その中から青々とした棕櫚の鉢植をさえ覗かせている。――近づいて標札を見ると、「Haus Sonnenschein」とある。ふん、こいつだなと思って、私はその家の前を何度も振り返りながら、素通りして、裏の山へ抜けようとしかけたが、頭上の大きな樅の木からときおりどっと音を立てて雪が崩れ落ちてくるのに目が開けられないほどなので、又、引っ返してきた。