Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
はかば
墓場
西尾 正
Lesen Sie 墓場 (はかば) von 西尾 正 (にしおただし) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.934 Zeichen · 20 Bildschirme
墓地は深い、じめじめした凹地の中に沈み、そこには雑草、苔、異様なつたかずらがおい茂り、そしてまた石までが腐っているのではないかと思われるほど、漠然と名状し難い臭気が充満しておりました。どちらを向いても放置と老朽の痕跡ばかりです。スティヴンとわたくしこそが、世紀の死の沈黙に侵入する最初の生物ではないか、というような考えが頭の中に漂い始めました。谷のふちの向方には地下の墓所から蒸発しているのか、もやもや立ち昇る煙霧の中へ青ざめた虧けた三日月が射し入っておりました。そして、その弱い、波打つ月光によって、古代の板石や骨壺、石碑や霊廟の正面が、無愛想な並列を作っているのを見分けることができました。すべては砕け、苔蒸し、湿気に浸され、ところどころ見たこともない毒草のおびただしい繁茂で被い隠されていました。
この恐ろしい墓地に入って来て、或る朽ちかけた墓の前まで来ると、わたくしは先ずスティヴンがためらいの素振りを見せたのを、はっきり認めました。担いで来た荷物を抛り出しました。わたくしは電気ランプと二本の鍬を持ち、相棒は同じようなランプと用意の携帯電話器の支度を始めました。