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Japanische Klassiker mit Furigana

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こわれたバリコン

壊れたバリコン

海野 十三

Lesen Sie 壊れたバリコン (こわれたバリコン) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.132 Zeichen · 23 Bildschirme

Aozora Bunko

それどころか、時にはこんな考えさえ持ちましたことです。僕の出している短波長無線電信は、この地球を既に飛び出してしまっているから中々応答が来ないので、其の内には都合よく火星か金星かにぶつかってそこに棲んでいる生物から前代未聞の怪しげな応答信号が僕に向って発せられるかも知れないと考えて、思わず声を出して嬉しがったこともありました。

しかし事実の上では、私の送信に対して一回の応答信号も入って来ませんでした。耳朶が痛くなる迄、懸けつけた受話器の底には時々ガリガリという空電の雑音が入って来るばかりで、信号の形を備えた電波は全く見出すことが出来ませんでした。時にはこの意味のない空電のガリ、ガリ、ガリという音響を、●●●というモールス符号のSという字にちがいないと思いこんだこともありました。

それはこの短い波長の無線電信の放送受信を始めてから四十日ほども経ったころには、流石物好きからやり出した僕と雖も、少々この「永遠の梨の礫」には倦きて来ました。厭気のさしたのを自覚すると、実験をつづけることが急転直下的にたまらなくいやになりました。忘れもしない九月の七日の夜のことです。