Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいしょくかもなんばん
売色鴨南蛮
泉 鏡花
Lesen Sie 売色鴨南蛮 (ばいしょくかもなんばん) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.926 Zeichen · 28 Bildschirme
一度戸口へ引込んだ宗吉を横目で見ると、小指を出して、
「どうした。」
と小声で言った。
「まだ、お寝ってです。」
起きるのに張合がなくて、細君の、まだ裸体で柏餅に包まっているのを、そう言うと、主人はちょっと舌を出して黙って行く。
次のは、剃りたての頭の青々とした綺麗な出家。細面の色の白いのが、鼠の法衣下の上へ、黒縮緬の五紋、――お千さんのだ、振の紅い――羽織を着ていた。昨夜、この露路に入った時は、紫の輪袈裟を雲のごとく尊く絡って、水晶の数珠を提げたのに。――
と、うしろから、拳固で、前の円い頭をコツンと敲く真似して、宗吉を流眄で、ニヤリとして続いたのは、頭毛の真中に皿に似た禿のある、色の黒い、目の窪んだ、口の大な男で、近頃まで政治家だったが、飜って商業に志した、ために紋着を脱いで、綿銘仙の羽織を裄短に、めりやすの股引を痩脚に穿いている。……小皿の平四郎。
いずれも、花骨牌で徹夜の今、明神坂の常盤湯へ行ったのである。
行違いに、ぼんやりと、宗吉が妾宅へ入ると、食う物どころか、いきなり跡始末の掃除をさせられた。
「済まないことね、学生さんに働かしちゃあ。」