Japanische Klassiker mit Furigana
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へんなおとこ
変な男
豊島 与志雄
Lesen Sie 変な男 (へんなおとこ) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 40.508 Zeichen · 81 Bildschirme
」
足を洗って上って来た彼の顔は真赤だった。その額に辰代が手をあててみると、火のように熱く感じられた。
「まあ大変なお熱でございますよ。すぐお寝みなさらなければいけません。……澄ちゃん、床を敷いておあげなさいよ。」
澄子がまだ袴をつけてるのを見ると、辰代は自分から二階に上っていって、寝床を敷いてやり、濡れた着物を寝間着に着代えさしてやって、それから暫く枕頭に坐って様子を見守った。
「大したことじゃありません。」と今井は云った。「雨に当ったからかっとしたんです。少し寝ていればじきになおります。」
「でも兎に角、晩にはお粥が宜しゅうございますよ。拵らえて差上げましょう。」
そして辰代は夕方、粥や梅干や一寸した煮肴などを持っていったが、今井は何も食べたくないと云って、それには手もつけないで、ただしきりにお茶ばかり飲んでいた。小用に立って下りてくる時には、足がふらふらしていた。それでも大したことはないと云い張って、薬も手当も一切断った。
辰代は心配しだした。中村が病院から帰ってくると、診てやってくれと頼んだ。
「どうされたんです? 熱がおありですか。」
そう云って中村は今井の室にはいっていった。