Japanische Klassiker mit Furigana
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なつとおじいさん
夏とおじいさん
小川 未明
Lesen Sie 夏とおじいさん (なつとおじいさん) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.207 Zeichen · 5 Bildschirme
ちょうど、そのおりのことです。ビルディングのエレベーターに故障ができて、止まってしまった。その修繕には、五、六日間かかるそうです。雇い人たちは、頭を集めて、
「こんなときにでも、おじいさんを困らして、平常、手足のように働いている、みんなのありがたみを知らしてやれ。」と、相談しました。
それで、みんなが、仕事を休んでしまうと、体の自由がきかないおじいさんですから、まったく困ってしまいました。
「不埒のやつどもだ。よくも、私をひどいめにあわしたな。」と、おじいさんは、怒りましたけれど、よく考えれば、自分が無理だったので、いつでも、みんなが、自分のどんな命令でもきくものと思ったからです。
「そうだ。おれは、もっと謙遜にならなければならない。そして、人を信じなければならない。この世の中は、おたがいに助け合わなければならぬところだ。」と、悟りました。
おじいさんは腹がへると、かごの中へ、紙片に字を書いて、それといっしょに銭をいれて、細ひもで、するすると五階の窓から、下の通りへおろしました。その紙片には、
「もし、このお金で、パンを買って、この中へいれてくださればしあわせです。