Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
Lesen Sie 夏の花・心願の国 (なつのはな) von 原 民喜 (はらたみき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.816 Zeichen · 310 Bildschirme
……妹はこの数年間の嫂の変貌振りを、――それは戦争のためあらゆる困苦を強いられて来た自分と比較して、――戦争によって栄耀栄華をほしいままにして来たものの姿として、そしてこの訳のわからない今度の失踪も、更年期の生理的現象だろうかと、何かもの恐しげに語るのであった。……だらだらと妹が喋っていると、清二がやって来て黙って聴いていることがあった。「要するに、勤労精神がないのだ。少しは工員のことも考えてくれたらいいのに」と次兄はぽつんと口を挿む。「まあ、立派な有閑マダムでしょう」と妹も頷く。「だが、この戦争の虚偽が、今ではすべての人間の精神を破壊してゆくのではないかしら」と、正三が云いだすと「ふん、そんなまわりくどいことではない、だんだん栄耀の種が尽きてゆくので、嫂はむかっ腹たてだしたのだ」と清二はわらう。
高子は家を飛出して、一週間あまりすると、けろりと家に帰って来た。だが、何かまだ割りきれないものがあるらしく、四五日すると、また行方を晦ました。すると、また順一の追求が始まった。「今度は長いぞ」と順一は昂然として云い放った。「愚図愚図すれば、皆から馬鹿にされる。