Japanische Klassiker mit Furigana
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
Lesen Sie 夏の花・心願の国 (なつのはな) von 原 民喜 (はらたみき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.816 Zeichen · 310 Bildschirme
めらめらと燃えあがり、燃え畢った後の、また燃えなおしの、めらめらの、今も僕を追ってくる、この執拗な焔は僕にとって何だったのか。僕は汽車から振落されそうになる。僕は電車のなかで押つぶされそうになる。僕は部屋を持たない。部屋は僕を拒む。僕は押されて振落されて、さまよっている。さまよっている。さまよっている。さまよっているのが人間なのか。人間の観念と一緒に僕はさまよっている。
人間の観念。それが僕を振落し僕を拒み僕を押つぶし僕をさまよわし僕に喰らいつく。僕が昔僕であったとき、僕がこれから僕であろうとするとき、僕は僕にピシピシと叩かれる。僕のなかにある僕の装置。人間のなかにある不可知の装置。人間の核心。人間の観念。観念の人間。洪水のように汎濫する言葉と人間。群衆のように雑沓する言葉と人間。言葉。言葉。言葉。僕は僕のなかにある ESSAY ON MAN の言葉をふりかえる。
死について 死は僕を生長させた
愛について 愛は僕を持続させた
孤独について 孤独は僕を僕にした
狂気について 狂気は僕を苦しめた
情欲について 情欲は僕を眩惑させた
バランスについて 僕の聖女はバランスだ