Japanische Klassiker mit Furigana
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なつのはな
夏の花・心願の国
原 民喜
Lesen Sie 夏の花・心願の国 (なつのはな) von 原 民喜 (はらたみき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 152.816 Zeichen · 310 Bildschirme
その落着はらった動作は見ているうちに羨しくなるのであった。こういう静かな時刻というのも、あるにはあったのか。彼はその孤独な鳥の姿がしみじみと眼に泌みるのだった。……この運動場の砂は絶えず吹き荒さぶ風のために、一尺から窪んでしまったのです、とある教師が語ったことがある。絶えず吹き荒さぶものは風ばかりではなかった。無慙な季節に煽られて、生徒達はひどく騒々しく殺伐になっていた。旗行列の準備で学校中が沸騰している時も、彼はひとり職員室に残りぼんやりと異端者の位置にいた。もしも、こういう時代に自分が中学生だったら……と、彼はいつもそれを思うとぞっとする。そうして、生徒たちにものを教えていながらも、ふと向うの席に紛れている己れの中学生姿を見ることがあった。異端者の言葉がすぐ、口もとまで出かかっているのであった。
(昭和二十一年九月号『文明』)