Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme
それで気になって、頼んどいたお店に来てみたのよ」
女はホテルのほうを振り向く。
「あのお店よ。ほら、秋にあなたとちょっと寄ったことがあったでしょう。ホテルの隣りの」
「ああ、あすこはいまガソリン・スタンドになっているよ」
「そうなの。無責任ね。市外配達の特別料金までとったくせに、なんの挨拶もせずそのまま頬っかぶりらしいわ」
「そうか。じゃ、君はぼくのを……」
「そうなの、はじめは間違えたわ。でも、ここに来てあなたの後ろ姿を見たとき、はっとしたわ。弘の名前を使う資格のある人が、もう一人いたことを忘れてたの。ごめんなさい。いままで、私、あなたにずいぶんひどかったわ」
「じゃ受けとってくれるのかい? あのプレゼントを」
「もちろんよ。あなたが弘の身代りとしてくれたんですもの。母としても妻としても、もらわない理由なんてないわ」
「ぼくには、やっぱり君しかプレゼントをあげたい人がいなかったんだよ」
「私のも、受けとってくださる?」
女は、ハンド・バッグから昨夜買った手袋を出すと、男の膝に置いた。
「私がプレゼントをあげたい人も、やっぱりあなたのほかにはいないわ。いま、それがわかったのよ」