Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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なつのそうれつ

夏の葬列

山川 方夫

Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme

Aozora Bunko

ぼくと山口とは、それからは毎日屋上を密会の場所と定めて、いつもぼくの弁当を半分こするようになった。

――ぼくらはどうしてわざわざ空っ風のさむい屋上などを密会所に定めたのだろう? その小学校には、かなりひろい赤土の運動場も、動員で空っぽのままの教室もあったし、また、運動場のうしろのくすんだ濃緑の林におおわれた小丘には、秘密の面会所には好適の場所がいくらでもあり、さらにその向うには、ほとんど常時人気のない草茫々のこの私学の創立者のF氏邸の敷地が、なだらかにつづいていたのだ。

しかし、ぼくと山口とは、それから毎日、午後の授業がはじまるときまって玄関脇の小部屋から脱けだし、別々の階段から屋上でおちあい、そこで最初にぼくが自分の気の弱さから予測したとおり、母の苦心の弁当を半分ずつたべるのを習慣にするようになった。屋上。――ぼくらが最初のその出逢いの場所をはなれなかったのは、しかし、たんなる習慣というより、その下界を見下ろし、自分と同じ高さにはただ空漠たる冬空しか見えない位置の感覚に、地上の現実をきらうぼくと彼との趣味が一致したことのせいではないだろうか? ……じじつ、ぼくらはときどき地上を見て、焼け爛れた一面の廃墟の中をうごめく人間たちを虫けらのようだといい、戦争や原爆まですべてをアリの世界の出来ごとに見立てて