Japanische Klassiker mit Furigana
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なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme
しかしぼくは、自分と山口との関係を、より親しいものにしようとはつとめなかった。意識的にそれを避けた。どちらかといえばぼくはすぐ夢中になりやすい人なつっこい甘えん坊で、ちょっとタガを弛めるとすぐに流れ出し、全身で相手にもたれかかってしまう。ざっくばらんな話のできるそんな相手がひどく欲しかったのだが、山口が、食餌を提供される引きかえのように、そのぼくの態度をいい気な「強制」と取るのがいやであった。だからぼくは、弁当を二等分するときだけ、別人のような親密な会談を交わしながら、それ以外はまったくそれまでと変わらない無関心で冷淡な表情で押しとおした。……どうやら、それは山口のほうでも望んでいた。他の年長の同僚たちと、ときどきぼくは活気のないピンポンなどをつきあったが、彼は絶対にそれにも加わろうとはせず、そんな場所に近づくこともしない。詰所の陰気な空気の中で、彼はいつも一人だけ離れた場所に坐り、ぼくとも目を合わさず、もちろん毎日一つの弁当を食うことなど、忘れ果てたような顔をしている。そのくせ子供っぽい敏捷な目を鋭くすばしこく光らせ、いつもほの白く冴えた顔で黙りこくっている彼を見ると、ぼくはときどき、彼はぼくとの間に無言で協定した約束を、内心どう感じているのかと思った。