Japanische Klassiker mit Furigana
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なつのそうれつ
夏の葬列
山川 方夫
Lesen Sie 夏の葬列 (なつのそうれつ) von 山川 方夫 (やまかわまさお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 60.161 Zeichen · 122 Bildschirme
……
ぼくの怒りは、しだいにぼく自身への嫌悪にかわってきた。そうなのだ。すべてはぼくの一人相撲なのだ。不意に半分たべろといい、今度は急に何故黙って半分たべたのだといって怒って絶交する。こんな理不尽こそ、山口にぼくの得手勝手だ、有害なわがままだと糺弾されてもしかたがない。
――そして、ぼくは気づいた。だいたい、ぼくは一度だって彼を自分の本当の「仲間」だと信じたことがあったろうか? ぼくはぼく、彼は彼で、ぼくはその離ればなれの場所でべつべつに生きている二つの「個」が、わずかに触れあったり、ひとときの連帯を感じられたりするからこそ、あの屋上での食事の習慣を、積極的に習慣としようとしたのではないのか? ……山口という一人の他人、一つの「個」を、ぼくにはわけのわからない「個」だと思っているからこそ、あの食事どきだけのおたがいのつながりを「貴重」視し、それに甘えてもとも子もなくさないようなつきあいを屋上での時間だけに限定して、水のいっぱいはいったコップみたいに、大切にそれを守りつづけようとしたのではなかったのか? ……たとえ、あの連帯感、あの友情が、ぼくの一人よがりな錯覚にすぎず、その錯覚から織りなした幻影であるとしても、すべての連帯感、すべての友情が、じつはそれぞれの同じような錯覚によってのみ成立すること、しかし