Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆうやけがうすれて

夕焼けがうすれて

小川 未明

Lesen Sie 夕焼けがうすれて (ゆうやけがうすれて) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.316 Zeichen · 7 Bildschirme

Aozora Bunko

彼は、いつも帰る時分に、晴れた空にくっきりと浮かび出た、国境の山々の姿を見るのが、なによりの楽しみだったのです。人のめったにいかない清浄な山の頂や、そこに生えて、風に吹かれている林の景色などを考えるだけでも、一日の疲れを忘れるような気がしました。そして、お父さんの霊魂は、きっとあんなような清らかなところに住んでいらっしゃるのだろうと思ったのでした。それが、もうおそくなって、山が見えないのは残念です。

じっと、燈火を見ているうちに、家で自分の帰るのを待っているお母さんの姿が浮かびました。

「そうだ、僕は強くなるのだ。そして、お母さんの力にならなければ。」

彼は、きっとして、頭を上げました。

その翌日の晩のことです。

お母さんは、夕飯の用意をして、おなかをすかして帰ってくる息子を待っていられました。自分にはなくても、子供には、べつに滋養になりそうなお肴がついています。

「どうしたんでしょうね。いつも、いまごろは帰ってくるのに。」と、お母さんは、時計を見上げていられました。どうしたのか、達夫は、いつになく帰りがおそかったのです。

「お母さん。おそくなっても、心配しなくていいよ。