Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆうやけがうすれて
夕焼けがうすれて
小川 未明
Lesen Sie 夕焼けがうすれて (ゆうやけがうすれて) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.316 Zeichen · 7 Bildschirme
お母さんは、そのようすつきを見ると、我が子の姿を思い出して、なんとなくいじらしくなって、あつい涙がしらずにわいてくるのです。
まだ、自分の子だけが、帰ってきませんでした。お母さんの胸は、早鐘を打つように、どきどきとしました。そして、改札口のところまできて、階段を見上げて、いまか、いまかと待っていました。もう勤めから帰る人は、たいてい帰ったとみえて、その姿は絶えてしまいました。そして、電車の着くたびに降りるものは、活動を見た帰りのものか、盛り場で酒を飲んできて、酔っぱらっているような人たちでありました。その人たちの数もだんだん少なくなって、お母さんは、悲しくなってきました。
「きょう、電車に、なにか故障でもなかったでしょうか。」と、たまらなくなって、お母さんは駅員にたずねました。
「さあ、べつになかったようですが。」と、駅員は簡単に答えました。
やがて時計が、十一時半になろうとしたときです。ゴウ、ゴウといって新たに電車がつくと、まもなく人々が、ばらばらと階段へ降りてきました。そのなかに、肩をそびやかして、胸を張り、元気な歩きつきで、階段を下りるとまっすぐに改札口へ向かってきたのは、達夫でありました。