Japanische Klassiker mit Furigana
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よるのくつ
夜の靴
横光 利一
Lesen Sie 夜の靴 (よるのくつ) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 107.056 Zeichen · 213 Bildschirme
商売して金銭を貯めるなら誰でも溜める。それで威張られては農村のしきたりを紊すだけだと、暗に憤りを私の妻にほのめかすことがある。また、清江の実家の組合長がみなの攻撃を受けているのに対しても、みなが組合長になれなれというからなったので、厭だというのを無理にしたのだと弁護する。しかし、今は、村のものは、誰かを攻撃していなければ、じっとしていられないときである。これはどこでも同じであろう。正、不正などということではない。夫婦喧嘩一つでさえも、眼に見えたほんの些細な、悪結果の一つ手前の原因だけを追窮して、事足れりとするものだ。やっつけられる番のものは、現在では、人の気持ちをそれだけ救っていることになっているのだ。私は組合長の人柄について知るところは少しもないが、おそらく悪い人ではないだろう。あるいは、この村では一番豪い人物かもしれないと想像されるふしも感じる。一度調査してみよう。
仏の口を聞きに行った清江の心中というのを妻に聞かせた。清江の長男のこと、音信のまったくない樺太に出征中の長男は、八月に負傷して今病院に入院中だが、十月になれば帰って来るという。次ぎに、先日預り主に返した小牛の病気について、――この小牛は糞が牛らしくなく固くて、胃腸が駄目だという。