Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
「そうだ。針助は何もかも白状したよ。君たち青蛇団はみんな、針助の針にひっ掛って、背中に蛇の刺青をしているそうだね」
「…………」
豹吉は唸っていた。
「いずれ一斉検挙になるだろう。今のうちに自首したらどうだ。いや、自首するつもりで来たんだろう」
「大きなお世話だ」
「いや、世話を焼きたいよ。君たちのように若い青年が、刺青をしたまま、一生悪事を働いて暮すのかと、思うと黙って放って置けない」
「ふーん。黙って放って置けんからそれで密告したんやな。ご立派だよ」
豹吉はきっと小沢を睨みつけた。
「密告……? まさか。密告するくらいなら誰も一人で中之島へ行きやしない。あの時、警察のトラックに乗って行けばよかったんだ。しかし、そんなことしたくないからわざわざ一人で行って、今もこうして自首をすすめているのじゃないか」
「ほな、どうしても自首せエいうのやな」
豹吉の声は急に力が抜けていた。
「そうだ、どうあっても自首しろと言いたいのだ」
小沢の声は、豹吉の何か弱まった声と反対に、急に決然とした調子を帯びて来た。
「君たちは敗戦につきものの混乱と頽廃の園に咲いた悪の華だ。が、日本はもう混乱、頽廃から起ち直ってもいい頃じゃないか。