Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
やがて雪子は小沢の手によって針助の家から取り戻された着物に着かえて、刑事室を出ようとした途端、
「あッ!」
と声を立てた。
留置場からその部屋へ連れて来られる伊部の姿を見たのだった。
「やア。君か」
伊部も雪子を見ると、にやりと笑った。
伊部と雪子は知り合いだったのだ。
しかし、偶然はただそれだけではなかった。
雪子は伊部を見ると、すぐ伊部のうしろから刑事室へ戻って、
「お願いです。青蛇団の刺青をとってやって下さい」
と、いきなり言った。
(作者はここで最後の偶然を述べねばならない)
即ち、雪子はある夜、伊部とゆきずりの一夜を明かした。
その時、伊部が外科の医者で、刺青を除去する手術を今まで何度もやった経験があるということを知った。
雪子は豹吉たちのことを想い出した。豹吉が悪の道へぐれて行ったのは、背中の刺青という重荷のためであることを、雪子は知っていた。
雪子はその夜伊部に、豹吉らの刺青をとってやってくれと頼んだ。が、伊部は、
「面倒くさい」
と、言って、応じなかった。が、雪子は執拗だった。伊部は仕方なく、
「じゃ、気が向いたら手術をしてやろう」
「でも、いつあなたにお会い出来るか知れしません」