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Japanische Klassiker mit Furigana

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やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

「弱ったな」

げっそりした声を出して、小沢は思わず呟いた。

手ぶらで帰れば、雪子は今日も宿を出られず、昨夜と同じように一つの部屋で明かさねばならない。

よしんば、それは我慢するとしても、もう宿賃の払いが心細いのだ。

「昨夜、細工谷なんか歩いたばっかしに、おれも苦労するわい」

小沢は夜更けの雨の中で、一糸もまとわぬ雪子にいきなり出くわした時のことを、想い出しながら、苦笑した途端、ふと細工谷町の友人のことに気がついた。

その友人は独身だったが、案外細君を貰っているかも知れない。よしんば独身にせよ、たしか妹がいた筈だ。

「そうだ、あいつに頼んで、女の著物を借りるより手がない」

小沢はにぎり寿司の包みを受け取って、勘定を払うと、その食堂を出たが、どこをどう抜ければ、駅前の停留所へ出られるのか、はじめてのこと故さっぱり見当がつかず、迷宮のような闇市場の中をぐるぐる廻ったあげく、やっと抜け出してみると、そこは梅田新道通りだった。

小沢は苦笑しながら、阪急の方へ歩いて行って、やっと今里行の市電に乗った。

市電は混んでいた。

北浜二丁目で十人ばかり降りたので、小沢はいくらか空いている出口の方へ詰めて行こうとして、ひょいと見た途端、