Japanische Klassiker mit Furigana
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やこうちゅう
夜光虫
織田 作之助
Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme
それとも、道子がぱっと顔に花火を揚げたのを見て、かえってこちらが照れてしまい、ふと赧くなったのだろうか。
「伊部君いますか」
そうきくと、道子は、
「あのウ、今ちょっと……」
留守ですと、なぜか半泣きの顔になった。
「あ、病院ですか」
伊部が阪大の外科に勤めていたことを想い出した。
「はア、でも……」
曖昧に言って、ふと笑うと、えくぼがあった。
「そうですか」
と、小沢はがっかりして、
「――じゃ、また出直しましょう」
「あら……」
「えッ……?」
「あのウ……」
帰らないで、上ってはどうかと、言いだし兼ねて、道子はもじもじしていた。
「だって……」
お客さんでしょうと、ちらと男の靴を見た。
道子も見て、
「あら、いいんですの」
しかし、ぱっと花火を揚げて、
「――どうぞ」
「そうですか、じゃ」
茶の間へ通されると、小沢は早速きり出した。
「――実は今日お伺いしたのは、著物をお借りしようと思って……」
「著物……?」
「ええ、女の著物なんです」
小沢は頭こそかかなかったが、頭をかきながら――と言った気持で言った。
「女の……?」
道子はふっと眉をくもらせた。
「伊部になら、詳しく事情を話せるんですが……、でも、……」