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Japanische Klassiker mit Furigana

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やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

腹の皮がひっつくくらい、ペコペコになっていたせいか、涙が出るほど美味かった。カンゴクへ連れて行かれるかも知れないという恐怖を、ふと忘れるくらい、無我夢中で食べてしまって、きょとんとしていると、

「どや、美味いか。ほしかったら、もっとあるぜ」

と、針助はまたパンを出した。

次郎はふと、

「このパンを母ちゃんに持って帰ってやったら……」

どんなに喜ぶだろうと、思った。が、果して無事に家へ帰れるかどうか。

しかし、三郎はさすがに年が幼かった。何も考えずに、あっという間にパンを口の中へ入れて、のどにつまり、眼を白黒させていた。

そんな二人の容子をにやにやしながら、針助は、

「お前ら、まだ新米の掏摸やろ」

と、言った。

「…………」

「下手くそやぞ、お前らの掏り方は……」

「今夜はじめてだす」

次郎は蚊の鳴くような声を出して、

「――かんにんしとくなはれ、大将」

と、ぺこんと頭を下げた。

「はじめてや……?」

と、針助はにやにやして、

「――そやろ、新米でなかったら、あんな下手な掏り方はせん。どや、おっさんが一つ仕込んだろか」

「えっ……?」

「おっさんとこイ、来たらいつでも仕込んだる。