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Japanische Klassiker mit Furigana

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やこうちゅう

夜光虫

織田 作之助

Lesen Sie 夜光虫 (やこうちゅう) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 66.871 Zeichen · 134 Bildschirme

Aozora Bunko

「なんや、これは……」

「なんや、これは……いうて、済ましてるどころやないぜ、兄貴、これ読んで、びっくりせえへんのか」

「お前に千円やるのはまだ惜しいからな」

と、豹吉は笑った。

「ノンキやなア、兄貴は。これ、隼団からの果し状やぜ」

「判つてる。しかし、お前どうしてこれを……」

手に入れたのかと、きくと、亀吉は、

「知らん間にポケットへはいってたんや。その代り、あの復員軍人に返そう思てた二千円掏られてしもた」

「間抜けめ!」

と、豹吉はどなりつけたが、すぐ微笑して、

「――そやから、昼間ハナヤでお加代が云ったやろ。掏られんように気をつけろって……」

「あ、そやった!」

と、亀吉は頭を押えると、亀のようにすっと首が縮んだ。

豹吉は腕時計を見た。十時を三分過ぎていた。

「弱ったなア」

と、豹吉は呟いた。

「――雪子をたすけるか、中之島公園へ行こうか」

と、迷ったのだ。

出来れば、雪子をたすけたかった。しかし、いくら雪子が好きでも、青蛇団の豹吉ともあろうものが、女のことにかけて、果し状を怖がって逃げたと思われるのは、辛かった。

「臆病者だと思われるのはいやだ。それに、雪子の行先は、どうせ警察だと判ってるんだ。