Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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やしゃがいけ

夜叉ヶ池

泉 鏡花

Lesen Sie 夜叉ヶ池 (やしゃがいけ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.689 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

我が自由のためには、世の人畜の生命など、ものの数ともするものでない。が、約束は違えぬ、誓は破らん――但しその約束、その誓を忘れさせまい。思出させようとするために、鐘を撞く事を怠るな。――山沢、そのために鋳た鐘なんだよ。だから一度でも忘れると、たちどころに、大雨、大雷、大風とともに、夜叉ヶ池から津浪が起って、村も里も水の底に葬って、竜神は想うままに天地を馳すると……こう、この土地で言伝える。……そのために、明六つ、暮六つ、丑満つ鐘を撞く。……

学円 (乗出でて)面白い。

晃 いや、面白いでは済まない、大切な事です。

学円 いかにも大切な事じゃ。

晃 ところで、その鐘を撞く、鐘撞き男を誰だと思う。

学円 君か。

晃 僕だよ。すなわち萩原晃がその鐘撞夫なんだよ。

学円 はてな。

晃 ここに小屋がある……

学円 むむ。

晃 鐘撞が住む小屋で、一昨年の夏、私が来て、代るまでは、弥太兵衛と云う七十九になる爺様が一人居て、これは五十年以来、いかな一日も欠かす事なく、一昼夜に三度ずつこの鐘を打っていた。

山沢、花は人の目を誘う、水は人の心を引く。君も夜叉ヶ池を見に来たと云う。私がやっぱり、池を見ようと、この里へ来た時、暮六つの鐘が鳴ったんだ。