Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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よなきてっこつ

夜泣き鉄骨

海野 十三

Lesen Sie 夜泣き鉄骨 (よなきてっこつ) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.273 Zeichen · 31 Bildschirme

Aozora Bunko

だが、こっちは、右手一本で、熔融炉の鉄梯子を握りしめ、全身を宙に跳ねあげたもんだから、左手に政の足首を握った儘、どどッと、下へ墜ちていった。右手を放しては、こっちが、たまらない。ガンと、横腹を、鉄梯子に打ちつけたがそのとき、幸運にも右脚が、ヒョイと梯子に引懸った。

(しめたッ)

と思った瞬間、頭の上からバッサリ、熱くて重いものが、わしを、突き墜すように、落ちてきた。そして、呀ッという間に、ヌラヌラと、顔や腕を撫でて、下へ墜落していった。それは、政の身体だった。辛うじてわしが掴んだ政の身体だった。(これを離しては……)と私は懸命に怺えたが、その恐ろしい重力に勝つことが出来ず、遂にツルリと、わしの指の間から脱けて、あいつの身体は、ヒラヒラと風呂敷のように、コンクリートの床を目懸けて、落ちていった。いや、全く、政の身体は風呂敷のように、舞いながら、墜ちて行ったのだった。わしは、どうしたものか、急に笑いたくなって、クッ、クッ、ウフウフと、鉄梯子に、しがみついた儘、暫くは、動くことが出来ない程だった。

6

「これは横瀬さん。珍らしいね。さァ、こっちへ入ったり、入ったり」