Japanische Klassiker mit Furigana
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よながひめとみみお
夜長姫と耳男
Lesen Sie 夜長姫と耳男 (よながひめとみみお) von Sakaguchi Ango (坂口 安吾) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.604 Zeichen · 56 Bildschirme
そしてあの人が動かなくなったと思うと、ほら、あすこの野良にも一人倒れているでしょう。あの人がキリキリ舞いをはじめたのよ。そして、今しがたまで這ってうごめいていたのに」
ヒメの目はそこにジッとそそがれていた。まだうごめきやしないかと期待しているのかも知れなかった。
オレはヒメの言葉をきいているうちに汗がジットリ浮んできた。怖れとも悲しみともつかない大きなものがこみあげて、オレはどうしてよいのか分らなくなってしまった。オレの胸にカタマリがつかえて、ただハアハアとあえいだ。
そのときヒメの冴えわたる声がオレによびかけた。
「耳男よ。ごらん! あすこに、ほら! キリキリ舞いをしはじめた人がいてよ。ほら、キリキリと舞っていてよ。お日さまがまぶしいように。お日さまに酔ったよう」
オレはランカンに駈けよって、ヒメの示す方を見た。長者の邸のすぐ下の畑に、一人の農夫が両手をひろげて、空の下を泳ぐようにユラユラとよろめいていた。カガシに足が生えて、左右にくの字をふみながらユラユラと小さな円を踏み廻っているようだ。バッタリ倒れて、這いはじめた。オレは目をとじて、退いた。