Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆめのず
夢の図
豊島 与志雄
Lesen Sie 夢の図 (ゆめのず) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.101 Zeichen · 15 Bildschirme
そしてその小さなお茶碗とお箸とを取り、重湯を一口すっては御飯粒を一つ一つ拾いあげて食べた。丁度そこに居合せた木村は、それを見ているうちに、瞼の中が熱くなり、それを意識すると、激しく涙が出てきた。小さな子供の、なんという清い食欲、生の営みであることか。木村は涙を流した。
その、うちの坊やの姿なのである。だが、見ようによっては、遠い地平に、一人の子供が、やはり砂地に鶴嘴をうちこんでいる。一粒の麦か米かを培うつもりなのであろうか、それとも、ただ遊んでいるのであろうか。
瞬きをすると、子供の姿は消え、園の中はもう薄暗くて、見通しがきかないのであった。
木村は云う――。
私はこの雑草と石と水と怪しい生物との庭が好きです。好きだから黙っていたのです。
第一人に話したら笑われるでしょう。然し、今は夜ですが、昼間、太陽の光のある時には、思考し続ける仮睡者の世界も、酩酊者の世界も、曲折せる廊下も、この庭の中に喚起されます。そういう喚起は、大なる収獲となります。
その収穫のことを直接に語らないで、なぜ、しめやかな夕暮のことだけを語ったのでしょうか。やはり、私は彼女の血の一滴がほしいのでした。