Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あやかしのつづみ

夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓

夢野 久作

Lesen Sie 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.558 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

それを見上げているうちに、私はだんだんと大胆になって来たらしく、やがて、いつもポケットに入れているガソリンマッチの事を思い出しました。

私はその凹地のまん中でいく度もいく度も身を伏せて四方のどこからも見えないことを、たしかめますと、すぐに右のポケットからガソリンマッチを取り出して、手元を低くしながら、自動点火仕掛の蓋をパット開きました。その光りをたよりにソロソロと頭を擡げて、まず鼻の先に立っている、木の幹かと思われていた白いものをジッと見定めましたが、間もなく声も立て得ずにガソリンマッチを取り落してしまいました。

けれどもガソリンマッチは地に落ちたまま消えませんでした。そこいらの枯れ葉と一緒にポツポツと燃えているうちにケースの中からガソリンが洩れ出したと見えて、見る見る大きく、ユラユラと油煙をあげて燃え立ち始めました。けれども私はそれを消すことも、どうすることも出来ずに、尻餅をついたまま、ガタガタと慄えているばかりでした。

私の居る凹地を取り捲いた巨大な樹の幹に、一ツ宛丸裸体の人間の死骸が括りつけてあるのです。しかも、よく見ると、それは皆最前まで生きていた私の戦友ばかりで、めいめいの襯衣か何かを引っ裂いて作ったらしい綱で、手足を別々に括って、木の幹の向うへ、うしろ手に高く引っぱりつけてあるのですが、その