Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

あやかしのつづみ

夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓

夢野 久作

Lesen Sie 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.558 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

「どうも済みませんが……」と妻木君はそれを私の前に差し出した。

「これをお帰りの時にどこかへ棄ててくれませんか」

それを私が微笑しながら受け取ると、妻木君の顔が小児のように輝やいた。そうして前よりも一層丁寧に云った。

「それからですね。ほんとに済みませんけどもこの事はお宅の先生へも秘密にしてくれませんか」

私は思わず吹き出すところであった。

「ええええ大丈夫です。僕からもお願いしたい位です」

「有り難う御座います。御恩は死んでも忘れません」

と云いつつ妻木君は不意に両手をついて頭を畳にすりつけた。

その様子があまり馬鹿丁寧で大袈裟なので私は又変な気もちになった。鶴原子爵は狂気で死んだというがこの青年も何だか様子が変である。ことによるとやっぱり「あやかしの鼓」に呪われているのじゃないかと思った。

しかしそう思うと同時に又「あやかしの鼓」が見たくてたまらなくなって来た。しかもそれを見るのには今が一番いい機会じゃないかというような気がしはじめた。

「この人に頼んだらことに依ると『あやかしの鼓』を見せてくれるかも知れない。今がちょうどいいキッカケだ。そうして今よりほかにその時機がないのだ。