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Japanische Klassiker mit Furigana

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あやかしのつづみ

夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓

夢野 久作

Lesen Sie 夢野久作怪奇幻想傑作選 あやかしの鼓 (あやかしのつづみ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 76.558 Zeichen · 153 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし私はその時鼓を探すということよりもかなり年増になっている筈の鶴原未亡人が、こんな女優のいそうな室でお化粧をしている気持ちを考えながら眼を丸くしていた。

「この室も不思議なことはないんです」

と妻木君は私の顔を見い見い微笑して扉を閉じた。そうして次に今一つある西洋間の青い扉の前を素通りにして一番向うの廊下の端にある日本間の障子に手をかけた。

「この室は……」と私は立ち止まって青い扉を指した。

「その室は問題じゃないんです。一面にタタキになって真中に鉄の寝台が一つあるきりです。問題じゃありません」

と妻木君は何だかイマイマしいような口つきで云った。

「ヘエ……」

と云いながら私はわれ知らず鍵穴に眼を近づけて内部をのぞいた。

青黒く地並になった漆喰の床と白い古びた土壁が向うに見える。あかり窓はずっと左の方に小さいのがあるらしく、その陰気で淋しいことまるで貧乏病院の手術室である。隣りの化粧室と比べるととても同じ家の中に並んで在る室とは思えない。

「その室に僕は毎晩寝るのです。監獄みたいでしょう」

妻木君は冷笑っているらしかったが、その時に私の眼に妙なものが見えた。