Japanische Klassiker mit Furigana
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たいしかんのしまつきかん
大使館の始末機関
海野 十三
Lesen Sie 大使館の始末機関 (たいしかんのしまつきかん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.934 Zeichen · 20 Bildschirme
それに愕いて医師は診察鞄をそこに忘れて立ち上ると、部屋附のボーイは、出かかった嚏を途中で停めて部屋を出た。
「ああ、王老師。どこへ行かれる」
「人払いじゃ」
「ああ、王老師はここに居て頂かねばなりません。そうでないと、話が出来ません」
「するとわしは人の部類に入らない訳じゃな。やれやれ情けない」
老師は、無理やりにお臀に刺された睡眠解下剤の注射のあとがまだ痛むので、すこし不機嫌であった。
「なに用じゃ、醤どの」
老師は、腰がだるくて仕方がないが、立ったままでものをいう。
「何よりもまず、余が依存いたすことは、老師の手腕と、この某国大使館における始末機関の偉力とですぞ。昨夜は失敗しましたが、今日は十分に駆使して、金博士を綺麗に始末していただきたい。大丈夫でしょうな」
「商売熱心なるその言葉、恐れ入ったぞ。今日こそは、始末機関をフルに働かして、邪弟金の奴を片づけてしまうであろう」
「いや、その御言葉で、余は安堵しました。さあ、後は十分おくつろぎ下さい。ボーイを呼びましょう」
醤は、ベッドの上に半身をねじって、枕許の押釦を押した。すると枕許のスタンドが、ふっと消えた。