Japanische Klassiker mit Furigana
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しんちつじょのそうぞう
大杉栄評論集
大杉 栄
Lesen Sie 大杉栄評論集 (しんちつじょのそうぞう) von 大杉 栄 (おおすぎさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.759 Zeichen · 8 Bildschirme
それに、聴衆の中にも、僕らが警察官の暴力を受けそうになると、急にその民衆的本能を出して、僕らをかばいにかかるものが出て来る。敏感な警察官らはすぐにそれを察して、やむをえず手をひっこました。
僕らはその勢いに乗じてますます弥次った。弁士の言論の曖昧矛盾を指摘した。そのいわんと欲していい得ざる点を補足した。僕らの弥次は大抵その肯綮に当っていた。聴衆は僕らの弥次に拍手し出した。そして自らもまただんだん、弁士の言論に対する質問や反駁のいわゆる弥次を始め出した。弁士や主催者や警察官は、にがり切った顔をして、仕方なしに黙認していた。
最後に僕が演壇に起った。最初僕らをつまみ出せの、気ちがいめのと罵っていた聴衆が、今までの弁士に対するよりも遥かに盛んに、猛烈な拍手を浴びせかけた。
僕は演壇の上と下との会話や討論を弁士として試みようと思った。実は、僕自身にとっても、数百もしくは数千という会衆の前では最初の試みであったのだ。僕のどもりと訥弁とで、また大演説会というようなものに場所馴れない臆病さとで、果してそれがうまくやれるかどうか、僕は心中甚だそれを危ぶんでいた。