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Japanische Klassiker mit Furigana

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たいしょうじゅうにねんくがつついたちよりのとうきょう・よこはまかんたいしんかさいについてのきろく

大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録

宮本 百合子

Lesen Sie 大正十二年九月一日よりの東京・横浜間大震火災についての記録 (たいしょうじゅうにねんくがつついたちよりのとうきょう・よこはまかんたいしんかさいについてのきろく) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.429 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

地震は、相変らず時々来るが、火事はまかさ来まいと思い、荷作りなどをしないでも大丈夫だと、下の婆さんに云って一先ずガード下に地震をよけて居るうちに、五時頃、段々火の手が迫って来るので、大きな荷物を四つ持ち、鎌倉河岸に避難した。始めは、材木や何かをつんで置いたところに居たが、あとで気がついて竹で矢来をくみ、なかに、スレート、石のような不燃焼物のあるところにうつり、包を一つスレートの間に埋めて居た。が、火の手が迫って来ると、あついし、息は苦しいし、大きな火の子が、どんどん来る、後の河には、やけた舟が漂って来て棧橋にひっかかる。男が棹でおし出してやる。いざとなったら、後の河にとび込む覚悟で、火の子を払い払いして居るうちに、朝になり、着のみきのままで林町に来た。

下の婆さんは、ガード下に居たとき近所の人に、小さい女の子と、酒屋の十ばかりになる小僧を一寸見てやって下さい、とたのまれたので、その子にすがりつかれたばかりに何一つ出さずにしまった。

ばあさん曰く「憐れとも何とも云えたものじゃあありませんや、一寸此処に待っておいで、おいでと云っても、可怖いから行っちゃあいやーとつかまえてはなさないんでしょう。